第5-9日 Vol.121  我ら大菩薩の授記を得るを聞かず 【授学無学人記品第九】(二十七~三十四行)

法華経 授学無学人記品第九

 
★★ きょうの謎!
   
その謎1:なぜ釈迦は声聞だけに授記を与えるのでしょう?
   
その謎2:釈迦の新發意菩薩への阿難に授記を与える意味の説明としては、誰もが納得でき

     る適正なものでしょうか?
 
   
■■第5-9日 Vol.121
   
 我ら大菩薩の授記を得るを聞かず
 
 【授学無学人記品第九】
 (二十七~三十四行)
   
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ  エチュウ シンボッチ ボサツハッセンニン コトゴトコ ネン ナ   ワレラ ナ モロモロ ダイ
 爾の時に會中の新發意の菩薩八千人、咸く是の念を作さく、我等尚お諸 の大
 
 ボサツ カク ゴト キ エ     キ   ナン インネン   モロモロ ショウモンカクゴト ケツ
 菩薩の是の如き記を得ることを聞かず。何の因縁あつて諸 の聲聞是の如き決
 
  エ   ソ トキ セソン モロモロ ボサツ ココロ ショネン シ     コレ  ツ  ノタマワ
 を得る。爾の時に世尊、諸 の菩薩の心の所念を知しめして、之に告げて曰く、
 
 モロモロ ゼンナンシ ワレアナントウ クウオウブツ ミモト オイ ドウジ アノクタラサンミャクサンボダイ ココロ
 諸 の善男子、我阿難等と空王佛の所に於て、同時に阿耨多羅三藐三菩提の心
 
  オコ   アナン  ツネ タモン ネガ  ワレ ツネ ツト ショウジン コ ユエ ワレ スデ ア
 を發しき。阿難は常に多聞を樂い、我は常に勤め精進す。是の故に我は已に阿
 
 ノクタラサンミャクサンボダイ ジョウ    エ   シカ  アナン  ワ  ホウ ゴジ マタショウ
 耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たり。而るに阿難は我が法を護持し、亦將
 
 ライ ショブツ ホウゾウマモ   モロモロ ボサツシュ キョウケ ジョウジュ  ソ ホンガンカク ゴト
 來の諸佛の法藏を護つて、諸 の菩薩衆を敎化し成就せん。其の本願是の如し、
 
 カツガユエコ キ ウ
 故に斯の記を獲。
 
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に会中の新發意の菩薩(しんぼっちのぼさつ:新たに菩薩乗を実践する菩
 
薩)八千人は、訝しくこのように思った、我らはあまり諸々の大菩薩がこのよう
 
な記を得るということを聞いたことがない。どういういわれがあってか諸々の声
 
聞がこのような決定を得るのだ。その時に世尊は、諸々の菩薩の心の様子を察知
 
して、このように告げて曰く、諸々の善男子よ、我は阿難等と空王佛の所に於て、
 
同時に阿耨多羅三藐三菩提の心を起こしたのだ。阿難は常に多聞(たもん:正し
 
い教えを多く聞いて心にとどめること、佛法を多く聞いて身を持すること)を願
 
い、我は常に勤めて精進を目指した。この故に我はすでに阿耨多羅三藐三菩提を
 
達成することを得たのである。そういうことで阿難は我が法を護持しており、ま
 
た将来の諸佛の法藏を守護して、諸々の菩薩衆を教化してから成就するのだ。そ
 
の本願はすで確かなものである、故にこの記を獲るのである。
       
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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佛の授記とは本来どういうものであるのか? ここで、はじめてその疑問が新發
意の菩薩の心の内から示されました。
そもそも授記とは、古くからある佛がこれから涅槃に入るという時に、次なる者
へ一切を引き継いで行く為にそのある者一人だけに与えることであるように思わ
れていたのではないでしょうか?
   
それはおそらく、いわゆる相続であって、次なる佛を目指す者一人を交代要員と
して置いていくという儀式だったのでしょう。
ですから涅槃に入った佛、つまりはおそらくこの世に如来として君臨していた佛
が滅盡した後に、そのままこの世に存在していた状態と同様にその後も民衆の衆
生たちに頼らせるのではなく、この世には新たに佛をこれから目指そうとする代
表の者を置き、その者中心に修行を行わせていこうとする仕組みとなっているも
のと思われます。
   
しかし、釈迦の授記の仕方は他の佛とはぜんぜん違うようですね。
大胆な話、片っ端から、それも声聞の弟子ばかり、そして授記の願いを起こす者
を次から次と授記をしまくっていますね。
   
また、場合によっては集団で修行していた者たち一同を同時に同じ名號での授記
も行っています。
   
これらのやりかたを八千人の新發意の菩薩たちは見ていて率直におかしく感じた
のでしょう。
そして、当然そのような疑問を起こすと察知していた釈迦は、その意味の説明を
し出しました。
   
ところで、その釈迦の説明は、従兄弟でもある阿難は昔共に同じく空王佛という
佛の元で修行し、同時に阿耨多羅三藐三菩提を得る心を起こし誓い合った仲間だ
と言い、阿難の場合は常に修行の中心的あり方として多聞、つまり多くの正しい
知識を聞きながらの方法を望み、釈迦自身は常に勤めて精進、すなわちひたすら
自らに修学などに励む方法を実践した結果、釈迦はすでに成佛できたと言うので
す。
   
その為に阿難は今では釈迦の法を護持し、また釈迦滅後の将来に、諸佛の法藏を
護っていく者であるとし、今後はさまざまな菩薩衆を教化することを担当するこ
とで成佛を得ることになるのであり、その本人の本願はそのように強い意志で確
定しているわけであり、そのような理由で授記を自ら請求し獲得できる資格があ
るのであると説明しました。
  
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:なぜ釈迦は声聞だけに授記を与えるのでしょう?
   
その謎2:釈迦の新發意菩薩への阿難に授記を与える意味の説明としては、誰も
     が納得できる適正なものでしょうか?
 

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法華経 序品第一

 

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コメント: 2
  • #1

    ぶっけん成安田 (月曜日, 08 5月 2017 21:04)

    釈迦は菩薩には与えてない授記を特に声聞弟子ばかりに与えているという疑問は、これはただコネづくりであると理解することではないでしょうか?
    声聞は菩薩に比較して、どうしても有力者にコネを紹介されてもらうことで将来が成り立つという概念しか感覚に持ち得ないということに対してなのだと思います。
    いわば、仏からの声聞に対する授記とは妥協策に他ならないと言えると思うのです。
    どうしても菩薩のように自らだけで判断や決意して作仏することができないのが声聞だと考えてよいのではないかと思います。
    釈迦如来は何のためにこの世へ降りてきて、特に声聞だけを弟子にして指導を施したかということが、コネを願うことでしか将来の自分の将来を決めれないという、最も根本的間違いを正す必要が釈迦如来の重点目的だっと言えるのです。

  • #2

    ぶっけん成安田 (土曜日, 09 9月 2017 09:18)

    仏典の中でも最高に難解と言わてきているこの法華経が奇遇的にも説き明かせれるという事実はこれまでにない史上最大の危機が確実に迫っていることを意味します
    釈迦は何故王城を捨てて出家しなければならなかったのでしょう
    それは単に仏教の最大な幸福に目覚め、一途に求めただけのことではなかったようです
    現実は、一国の安定を捨て、王族家族すべてを捨てるだけの緊迫した状況にあったことを意味します
    実にこの法華経の解明はその当時の緊迫した世界危機の状況がリアルに記され、熱伯したドキュメンタリーのままの秘密を描いていると言えるのです
    同じ最大危機の状況にこそ、この法華経は蘇ることを予言されています

    (ぶっけん成安田)