第1-12日 Vol.12  法華経を求むるに怪訝なし 【提婆逹多品第十二】(一~五行)

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■■第1-12日
   
 法華経を求むるに怪訝なし
 
  【提婆逹多品第十二】
  (一行~五行)
   
■■今日の一偈一句
   
 ソ トキ ホトケ モロモロボサツオヨ テン ニン  シュ ツ      ワレ カコ ムリョウコウ ナカ オイ
 爾の時に佛、諸の菩薩及び天・人・四衆に告げたまわく、我過去無量劫の中に於て
 
 ホケキョウ モト    ケゲン       タコウ ナカ オイ ツネ コクオウ ナ   ガン オコ 
法華經を求めしに、懈倦あることなし。多劫の中に於て常に國王と作つて、願を發し
 
 ムジョウボダイモト    ココロタイテン    ハラミツ マンゾク   ホッ      フセ ゴン
て無上菩提を求めしに、心退轉せず。六波羅蜜を滿足せんと欲するをもつて布施を勤
 
 
 ギョウ  ココロ ゾウメ  チンコクジョウ サイシ ヌビ ボクジュウズモク ズイノウ シンニク シュソク リン
行せしに、心に象馬・七珍・國城・妻子・奴婢・僕從・頭目・髓腦・身肉・手足を悋
 
 ジャク      クミョウ  オシ
 惜することなく、躯命をも惜まざりき。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に釈迦は、諸々の菩薩および天界・人間界、そして聴聞に集ってきている在家
 
・出家の男女である比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の四衆に告げたのであった、我は
 
、はかり知れないほど遠い昔から、法華経を探し求めることに関しては何の余念もな
 
かった。長い過去の歴史の中では、常に国王の地位にあって、信念を持って何よりも
 
最上な悟りを求める為には、心は決して挫けることはなかった。悟りに達するための
 
六つの修行を完成させようと望んで布施を実行することで、心の中の贅沢や虚栄、便
 
利さなど五体の不具合すらも悔やむことなく、命をも惜しまなかった。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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釈迦は遠い過去から数え切れないほどの数、生まれ変わって、その都度、常に国王の
地位にあられたそうです。いわば、人間界の古代から王様として君臨し、プロフェッ
ショナル的地位を欲しいままに築いていた存在なのですね。
 
王様であられたわけでありますから国中で一番この上ない悟り、つまり無上菩提を切
に求めておられたわけです。しかし、今回の後を読んでいくと解るのですが、釈迦は
王の時、無上菩提は求めていたのですが、まだ法華経のことは知らなかったのです。
つまり、無上菩提を求め続けることにより法華経を求めるに至ったと解釈されると思
います。
 
無上菩提は悟りそのもののことであり、法華経はそれを達成する為に一番早くて有効
なお経なのです。つまり、釈迦が王様だった時、最初はまだ法華経がその有効な手段
であることや、その名前すら知らなかったのです。そこで、六波羅蜜という別の修行
手段を完成させることを目的として、その第一の檀である布施という、財物や自身、
教法などを他人に施すことにより欲深く物惜しみする心を除く修行法に命も惜しまず
励んでおられたのです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:六波羅蜜の教法は法華経より古くからあったのでしょうか?
 
その謎2:六波羅蜜の六つの修行法とはどういうものでしょうか?
 

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  4. 今 日 の 知 識 !  (道)
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法華経は釈迦が作ったのかと思われがちですがそうではないのです。法華経というお
経は釈迦の知らない大昔から実はあったのです。
しかし、かつて長い間、様々な佛が試みましたが、いずれも完全に解き明かされたこ
とのなかった意味不明のお経だったのです。
その法華経を現在から2300年乃至3000年くらい昔に、過去最後に生まれ変わった釈迦
によってはじめてその意味の解明が達成されたのです。
 
六波羅蜜というものはお経ではなく修行方法でありまして、たとえば法華経などのお
経を用いずとも成仏できる、つまり無上菩提を得れるという代物です。
また、数々の佛やお経を参考にして考え出されたものなのでしょう、歴代の釈迦以外
の無数の佛も皆珍重して用いてきた成仏のための伝統的教えなのです。
 
六波羅蜜には六種の修行があり、第一の「布施」は前述の通り。
第二の「持戒」は戒律をまもって悪行為を除き、慎みを保ち心身ともに正常なること。
第三の「忍辱」は怒りを除いて寛容かつ忍耐によりその心を安定させること。
第四の「精進」は懈怠を除いて、たゆまない継続かつ純粋に努力する善法を増長させ
ること。
第五の「禅定」は乱心を除いて、迷ったり動揺したりせず常に落ち着いて心を定める
こと。
第六の「智慧」は愚昧な観念を除いて、見極めと判断と処理能力が真理に於て行われ
ること。です。
 
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なお、六波羅蜜に対し四諦という教えがあります。いわゆる苦・集・滅・道です。
この四諦は主に個人の救われ(悟り)を目的とし、六波羅蜜は他人をも救う(悟らせ
る)を目的とした修行であるといわれます。
たとえば、六波羅探題という、日本の鎌倉時代に京都に置かれた幕府の出先機関であ
りますが、武士による仏教支配が盛んだった鎌倉幕府に於ける極めて重要職であり、
他を悟らしめる支配威力が重要アイテムだったのです。
 
仏法では自分のためか、他人のためかの双方の教えタイプがあり、その違いにはとて
も重要な意味があるのです。たとえば、釈迦は他人のための他受用身の佛、日本の日
蓮聖人は個人のための自受用身の佛ともいわれているのです。
 
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  5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
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この提婆逹多品第十二も中国にてだいぶ後になって付け加えられたものだそうです。
また、提婆逹多は釈迦の従兄弟でもあったらしいのです。
ところが、皆さんも何となくわかると思いますが提婆逹多とは実は大そう評判は良く
ないらしいのです。
しかし、釈迦も警戒している割には、全巻通じてそれほど本心から敵視し合ってはい
ないようなのです。
その通りに、釈迦自身が提婆逹多を誉めているシーンは豊富にあります。
 
この品は何となく何をいっているのかがわかり難いのです。
たとえば、最初に「・・・常に國王と作つて、願を發して無上菩提を求めしに、心退
轉せず。」とありますね。
実はこの心退転せずをどう思いますか?
とかく、心が晴れない、回復しないという意味に理解してしまいがちではないです
か? ところがこれは、心は決して挫けることはなかったであるのです。
どちらに解釈するかで後の意味が少々変わってきますので気をつけましょう。
 
このように法華経には実に引っ掛け問題的な書き方が多いです。
昔の古典だから当たり前みたいですが、釈迦自身が作った法華経ならもっと親切に誰
にもわかり易く書いたかもしれませんね!
 
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  6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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法華経に提婆逹多が出てくるなんてちょっと恐いですね! この品では釈迦は一生懸
命、提婆逹多の元で修行したと書かれているのです。恐い恐い仙人の元で修行する場
合、ただ言われたとおりにするしかないです
よね。現実は甘くない・・・忘れるな?
 
それが一番無難で安全だと思いますね。
釈迦もはっきりそれをいいたかったのだと思いますよ。
またまた釈迦の意外で素朴な一面性ですね。恐ろしい相手には言われたとおり平気な
気持で修行をしていれば何も変わったことはなく過ぎ去れた、そんな感じとともにく
れぐれも人生とはいつだって危険と背中合わせなんだという釈迦の教訓を受容四魔性
ネ?!
 
今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
 
  (ぶっけん)
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