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第3-18日 Vol.74  人あって福を求めて、娯楽の具を給与せん 【隨喜功徳品第十八】(十二~十八行)



★★ きょうの謎?
   
その謎1:釈迦はなぜ弥勒菩薩のことを阿逸多と呼んでいるのでしょう?
   
その謎2:六趣つまり六道の衆生を対象に挙げているのはなぜでしょう?
 
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■■第3-18日 Vol.74
 
  
 人あって福を求めて、娯楽の具を給与せん
 
 【隨喜功徳品第十八】
 (十二~十八行)
 
■■今日の一偈一句
 
 アイッタ  ソ ダイ   ゼンナンシ ゼンニョニン ズイキ クドク ワレイマコレ ト  ナンジマサ
 阿逸多、其の第五十の善男子・善女人の隨喜の功徳を我今之を説かん、汝當に
  
 ヨ  キ    モ    マンノクアソウギ セカイ  シュ  ショウシュジョウ ランショウ タイショウ
 善く聽くべし。若し四百萬億阿僧祇の世界の六趣・四生の衆生、卵生・胎生・
 
 シツショウ ケショウ モ  ウギョウ ムギョウ ウソウ ムソウ ヒ ウソウ ヒ ムソウ ムソク   ソク
 濕生・化生・若しは有形・無形・有想・無想・非有想・非無想・無足・二足・
 
  ソク タソク カク ゴト ラ シュジョウ カズ   モノ  ヒト   フク モト   ソ
 四足・多足、是の如き等の衆生の數にあらん者に、人あつて福を求めて、其の
 
 ショヨク シタガ ゴラク グミナコレ キュウヨ      シュジョウ エンブダイ ミテ コン ゴン
 所欲に随つて娯樂の具皆之に給與せん。一一の衆生に、閻浮提に滿らん金・銀
 
  ル リ シャコ  メノウ サンゴ コハク モロモロ タエ チンポウ オヨ ゾウメ シャジョウ ポウ
 ・瑠璃・車渠・碼碯・珊瑚・琥珀・諸の妙なる珍寶、及び象馬・車乗・七寶
 
 ショジョウクデン ロウカクトウ アタ
 所成の宮殿・楼閣等を與えん。

    
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   1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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阿逸多よ、その第五十番目の善男子・善女人の隨喜の功徳を我は今これを説こう、
 
汝よしっかり信頼して聴くのだ。もし四百万億阿僧祇の世界で六趣(ろくしゅ:
 
六道のことでありこの上に佛道がある。六道は三悪道である地獄・餓鬼・畜生と
 
三善道である阿修羅・人間・天上の六世界の因縁)に於ける四種類の生まれ方を
 
する衆生として、卵生(らんしょう:卵からの生まれ)・胎生(たいしょう:胎
 
内からの生まれ)・濕生(しっしょう:湿気からの生まれ)・化生(けしょう:
 
自然の忽然な生まれ)・若しくは有形(うけい:形ある物)・無形(むけい:形
 
ない物)・有想(うそう:死後も意識がある者)・無想(むそう:死後は意識は
   
ない者)・非有想(ひうそう:死後の意識が有っても知らず我のみある者)・非
 
無想(ひむそう:死後に意識が無くても知らず我のみある者)・無足(むそく:
 
蛇)・二足(にそく:猿人類)・四足(しそく:家畜など)・多足(たそく:虫
 
など)などがいるが、このような種類の衆生の大数にある者に、人としての幸福
 
を理想して、人の願望のままに人生をこよなく安楽させる道具をすべてこれらの
 
衆生に与えることを考えた。一人一人の衆生に、その住む国に満ち溢れる金・銀
 
・瑠璃・車渠・碼碯・珊瑚・琥珀・諸々の希少なる珍しい宝、及び象や馬・車な
 
ど乗り物・七宝で造られた宮殿・楼閣等を与えることだった。
   
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   2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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釈迦は或る人から或る人へと一人ずつ転々と伝教していく五十人目達成の大功徳
の意味についてこれから明かすため、弥勒への説法を始めました。
   
ここで、釈迦は弥勒菩薩のことを愛称のように阿逸多(あいった)と呼んでいま
すが、おそらくこの阿逸多のほうが弥勒の本名なのでしょう。
また、序品第一にて文殊師利菩薩は、今の弥勒菩薩への過去の説明をしており、
その中で弥勒のことを、今の文殊師利菩薩が日月燈明如來の弟子として妙光菩薩
であった頃の太古の昔に、更にその妙光菩薩の弟子となっていた求名(ぐみょう)
という名の者が居て、その者が今の弥勒菩薩であり、将来釈迦佛の滅後に作佛す
ることになっていると教えています。
   
このように幾つかの異名のある弥勒菩薩なのですが、求名とは文殊の説明では名
声を求めすぎるから求名と名付けられたそうです。
また、阿逸多の逸の意味としては、兎(うさぎ)がすり抜けるような意味がある
そうですが、それる意味で逸脱、また、勝手気ままの意味で放逸などにも使われ、
そのほかには逸品など優れたものの意味にも使われますね。
   
このように弥勒菩薩の本性は、自身ではとても優れていると思っていても実際は
精神が定まりにくいなどの落ち度のはっきりしているような性質と考えられます
が、一般に知られている弥勒という名称自体が文殊の説明からすると遠い将来に
成佛できた際の授記名なのに成佛出来ていないうちから使っているのではないの
かと思わせる感じもあります。
   
そこで釈迦は、この阿逸多つまり弥勒菩薩に対し、六趣の衆生のことについて語
りだしました。
六趣とは六道のことであり、六道とは十界のうち一番下の地獄界から数えて六番
目の天上界までの各種衆生の境遇のことです。
   
その六趣のさまざまな生き物に対し、ある者が人間界がその生き方として望む限
り最高レベルの誰もが満足のいく大きな待遇の娯楽の道具をすべて揃えて与えよ
うと願ったそうです。
   
そしてその者は、住む国にあるあらゆる金・銀やさまざまな宝石、希少価値な珍
しい宝物および象や馬、高級な乗り物、七宝で特別に作られた宮殿、楼閣などま
でもの最高の豪華さを与えることを考えたそうです。
   
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   3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:釈迦はなぜ弥勒菩薩のことを阿逸多と呼んでいるのでしょう?
   
その謎2:六趣つまり六道の衆生を対象に挙げているのはなぜでしょう?
  

ご案内

法華経 序品第一

 

★★ 今日も、お読みいただきありがとうございました ★★
 
本日品の続き解明文、【今日の謎!シリーズの答え、解説など詳細満載】
 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
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3-18

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コメント: 4
  • #1

    ぶっけん (金曜日, 17 7月 2015 23:00)

    すべてを満足させてあげる功徳

  • #2

    ぶっけん成安田 (金曜日, 17 3月 2017 21:51)

    その人のためになるオファーをある人が与えてあげるということ。
    オファーとは条件であるとすれば、ここで必要としているそのオファーとは、意外にもお金や財宝のことを云っているのです。
    つまり、まだ仏道に属していない六道四生の衆生自らが仏教で幸せになるには先ず裕福な境遇が必要であると例示しているわけです。
    これは、会社などが社員を雇い、一生懸命に働いてくれる人間になってもらうためには待遇面を高度化してあげるという考えですね。
    そして、この場合、高い待遇を与えれば与えるほど、その社長は大きな功徳を得れるということです。

  • #3

    ぶっけん成安田 (金曜日, 17 3月 2017 21:53)

    オファーといっても、それを必要だとして与えてもらいたい側のオファーもあれば、逆に与える側のオファーも共にあるということですね。
    契約上のお互いの条件ということです�
     
    ところで、知性が繊細な人こそ契約が難しいようです。
    だから、割り切るってことを教えているのが仏教です。ただし、危険のあることには最初慎重になれとも教えているのです�

  • #4

    ぶっけん成安田 (火曜日, 18 7月 2017 09:19)

    【罪とは四つの非】

    仏教の十界とはご存知でしょうか?
    地獄界から始まり仏界までの十段階の境遇世界のことをいいます。
    その十界の中で人間界は一番下の地獄界から数えて5番目に位置します。
    そして、十界の中でいわゆる罪な境遇と言えるのは人間界に至るまでの地獄界・餓鬼界・畜生界・阿修羅界の四つの世界なのではないでしょうか。