第1-13日 Vol.13  釈迦への大きな誓い 【勸持品第十三】(一~六行)

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■■第1-13日 Vol.13
 
 釈迦への大きな誓い
 
  【勸持品第十三】
  (一~六行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ  ヤクオウボサツマカサツ オヨ ダイギョウセツボサツマカサツ マン ボサツケンゾク トモ ミナブツゼン
 爾の時に藥王菩薩摩訶薩及び大樂説菩薩摩訶薩、二萬の菩薩眷屬と倶に、皆佛前に
 
 オイ コ セイゴン ナ   タダネガ   セソン モッ ウラオモ         ワレラホトケ メツ
 於て是の誓言を作さく、唯願わくは世尊、以て慮いしたもうべからず。我等佛の滅
 
 ゴ オイ マサ コ キョウデン ブジ ドクジュト         ノチ アクセ シュジョウゼンゴン
 後に於て當に此の經典を奉待し讀誦し説きたてまつるべし。後の惡世の衆生は善根
 
 ウタ スク   ゾウジョウマンオオ リ クヨウ ムサボ フゼンゴン マ  ゲダツ オンリ   キョウケ 
 轉た少なくして増上慢多く、利供養を貪り、不善根を増し、解脱を遠離せん。教化
 
      カタ  イエド ワレラ マサ ダイニンリキオコ   コ キョウ ドクジュジセツ ショシャ 
 すべきこと難しと雖も、我等當に大忍力を起して、此の經を讀誦し持説し書寫し、
 
 シュジュ クヨウ  シンミョウ オシ
 種種に供養して身命を惜まざるべし。
 
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に藥王菩薩摩訶薩および大樂説菩薩摩訶薩は二万の菩薩従者一族共に、一斉に
佛前に於て次の誓言をなした、「ただ願わくば世尊、怪訝なきにありたまえ、我等は
世尊の滅後に於てまさにこの法華経を継承し修学し普及を図る決意であります。
 
将来の悪世の衆生は正しき心を見失い傲慢な者多く、欲を貪り、悪事を増し、心の回
復がありません。教育することは困難と言えども、我等はまさに歯を食いしばって、
この経を読み奉り主張し書き写し、様々な祈りに奉って自らの身命を惜しまないこと
をお誓いします。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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全品で提婆逹多という恐ろしい修行者の話を聞いた後に、決意新たに奮起が湧き起こ
り、ここに薬王菩薩および大楽説菩薩を代表とする二万人の菩薩たちによる釈迦への
請願が起きたのです。
 
釈迦の死後、どんな大困難に遭おうと法華経を護持し、しっかり修学して身に付け、
この経を普及させて見せますと、誓いを申し出たのあります。
ここでまず重要なのは、今後、釈迦が死すると、その後はこの世に残された正しき者
たちは、どうすれば良いのか? それは絶大な佛としての釈迦の守護が今後は期待で
きなくなるということです。
 
通常、私たちが考えるあの世の仏様とは、私たちがこの世でしっかり真面目に生きよ
うとしていれば、それだけで恩恵をいただけるものだと思っていますよね。
それだけこの通常の世には佛に背く悪い者が勢力を持ち、佛に忠実な真面目な者たち
は卑屈に生きるしかないために、あの世から仏様がしっかり見守ってくださっている
という感覚ですよね。
 
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それはそれで確かな仏様の教えだと思いますが、通常の仏様としてこの世の悪い者を
正しい人間が正して指導せよとは教えるでしょうか?
ケンカや口論をしたりされたりするのは基本的に良くないとするのが仏様ではないで
しょうか?
つまりいじめや嫌がらせが常であろうと一心に仏様を信じていれば救われる、即ち、
仏様のほうで悪い者を裁いてくれる、と私たちは通常教えられ、悪を正そうとまでは
決して危険だからしてはいけないとされていたはずではなかったでしょうか?
 
ところで、ここでは方便品第二の「如来はただ菩薩のみを教化する」という言葉を思
い出してみましょう。
この言葉からすると如来、即ちこの世へ解決に来られる仏様は衆生を皆平等には考え
ず、菩薩だけに仏の道を指導教育するという意味ですね。
つまり、この世の菩薩という高度な教育をすでに受けている優等生を用いて一般衆生
への安全と教育を図らせるということになります。
 
したがって私たちこの世の一般の者は仏様よりこの世の菩薩の言うことを聞かなけれ
ばらないということになりますよね。
 
だんだん釈迦の説法の特殊さというものが見えだしてきましたね。
釈迦とは戦いを常に好む性質、或いは衆生の本来の真実は戦いなのであるということ
を教えているように思えます。
このへんで釈迦は仏様の中でも特異な存在で最大の勇者である大王様というイメージ
が強く認識されますが、皆さんはどう感じられますか?
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:菩薩集団の釈迦に対する前もって「慮い(うらおもい)したもうべから 
     ず」とはどういう意味でしょうか?
 
その謎2:釈迦の死後、どうして悪世になるのでしょう?
 

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  4. 今 日 の 知 識 !  (道)
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まず、菩薩たちの心理を考えてみる必要があります。
べつに心理鑑定にかけようというわけではありませんが、釈迦は弟子の声聞ばかりに
将来の成仏授記を盛んに行い、肝心な菩薩へは未だ授記をしていないのであります。
その点から菩薩たちは非常に待遇に焦っていて、はっきり釈迦に対し成仏授記をくだ
さいとも言えないもどかしさを抱いているのではないかと推測できますね。
 
本来はその授記への請願をしたい本音を、釈迦死後は法華経だけは必ず護持すべしと
言い回しのように、自ら一方的に示唆しているものと思いませんか?
「うらおもいしないでください」と前置きをする感じは菩薩としては釈迦を正直には
疑っている、しかし、釈迦は菩薩のほうを疑わないでくださいと言っているに等しい
ように思えますね。
 
そして、そのように一旦前置きしてから法華経護持の誓いを申し上げているのです。
つまり、あらかじめ、私たちがこれから自らに言う主張を何卒、お怒りにならないで
くださいということなのでありましょう。
 
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なぜなら、釈迦は自身の死後しばらく後にこの世は大いに乱れると弟子達に盛んに予
言していたのです。
ある意味ではうぬぼれが過ぎるとも考えられませんか?
なぜかといえば、自身にはかつては王様の位がありその王がこの世に居なくなれば誰
も平和を維持できる者は居なくなり、世も末であるという自尊心の現れとも解釈され
てもしょうがないですよね。
 
こういった釈迦の自信過剰に思える怠りを菩薩は見抜いていたという意味にもなりか
ねないわけです。
つまり、こういった釈迦のような自尊心が強くて逆に頼りにならないその場主義の王
者ならどこにも居るということです。
 
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  5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
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この菩薩集団の焦った請願は釈迦があえて言わせていたのでしょうか?
いえ、そうではなく、ただ菩薩たちの単に正直な自主的な気持の表現であると認識し
たほうが良いようです。
つまり、釈迦が皮肉な立場に立たされるシーンなのだと理解することが先ず寛容なの
ではないでしょうか。
 
私は、この勸持品の「勸持」とは勧め持つ、つまり、他へ勧める者の心構えのことと
実は考えます。
この勸持品の全体の流れからして不穏な将来の悪世に対し菩薩集団が命も惜しまぬ強
い決意をしたということが強烈に印象に残ります。
 
しかし、それを重要視するならこの品の題名は決意や覚悟といった題名表現が適して
いると思います。
ところが勧めるということですから、何を勧めるかといえば法華経を読むことや護持
することを勧めるという意味に考えれば、釈迦が、若しくは菩薩が法華経護持を勧め
ているということかとなりますね。
 
実はこれをもし、我慢することを勧めているというふうに解釈してみますと何となく
意味が通じてきませんか?
そうです!釈迦が我慢をして見せてその忍耐することの大切さを説いていると考える
と先行きが急に明るくすんなり見えてきませんか?
 
この品に於てもなんと主役はやはり釈迦なのであり、釈迦のような大事を成す者は細
心の注意と努力が必要であると理解することで、実際は先へ楽しく読み進んでいける
と思えます・・・が。
 
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  6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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この品は釈迦の複雑な心境が最も表れていると思います。寄る所敵無しに思える釈迦
ですが、ここではそんな釈迦も人並み以上に用心深く、石橋を渡るような繊細な神経
のもち主であるという一面性に対し感動を得ました。
 
この現実的な釈迦の智慧と我慢が今後どういう展開を示していくのか、人間は何か達
成したいと願うならばここ一番の忍耐が必要ですね。頭が良くて根性もある、そんな
釈迦の性質は親父のように頼もしいという以外にありません。
 
今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
 
  (ぶっけん)
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