第1-25日 Vol.25  無盡意菩薩、観世音菩薩を問う 【観世音菩薩普門品第二十五】(一~三行)

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■■第1-25日 Vol.25
 
 無盡意菩薩、観世音菩薩を問う
 
  【観世音菩薩普門品第二十五】
  (一~三行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ  ムジンニボサツ スナワ ザ  タ  ヒトエ ミギカタ アラワ  ガッショウ ホトケムカ
 爾の時に無盡意菩薩、即ち座より起つて偏に右の肩を袒にし、合掌し佛に向い
 
        コ コトバ ナ   セソン カンゼオンボサツ ナン インネン  モッ カンゼオン
 たてまつりて、是の言を作さく、世尊、觀世音菩薩は何の因縁を以てか觀世音
 
  ナヅ
 と名くる。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に無尽意菩薩、ただちに座より起って上衣の一方を脱ぎ右の肩をあらわに
 
し、合掌して佛に向い奉りて、この言葉を発した、世尊、観世音菩薩はどういう
 
理由によりて観世音と名づけられているのか。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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この品では無尽意菩薩が登場してきましたが、名前からして意即ちこころを尽さ
ない菩薩なのでしょうか? こころといえど法華経では正しい意味のことだと思
いますので正しい意味は滅びないという菩薩なのでしょう。
 
この誠実極まりないような菩薩がなぜか右肩を脱いで勢いを見せて尋ねています。
仏法ではこのような礼儀があるのでしょうか? たとえば現代の宗教法人団体な
どでも白いタスキを斜めに掛けていますが、それがこの右肩を出すという儀式な
のかもしれませんね。
 
ところでこの右の肩を袒にするのは弥勒菩薩もそうなのですが何か疑惑を感じて
釈迦に問いただす時の礼儀作法のようなものなのでしょうか?
この無尽意菩薩は観世音菩薩はなぜ観世音という名なのかと釈迦に尋ねましたが、
やはり直接本人から聞くことが無礼に思えるからなのでしょうか。
 
このように菩薩同士の勝手な突付き合いは禁じられている原則があるかのようで
すね。
また、釈迦の方から或る菩薩へ他の菩薩のことを教えていることもありますが、
このように品の初めからいきなり菩薩の側から佛へ疑問を問い合わせているケー
スは薬王菩薩本事品第二十三の宿王華菩薩も同じようなパターンでしたね。
 
この二人ともやはりどことなく対象の菩薩への疑惑を感じているようにも思えま
す。
 
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この無尽意菩薩の懐く疑惑の答えに関しては、この後に釈迦が教えるのですが、
観世音の意味は、衆生からの救済の音声を観じとめて観世音菩薩は救済へ向うと
いう性質があって、単に観世音という名を呼ぶだけですぐに救われることができ
るという、衆生にとっては面倒のない即座な救われ方をできるということで評判
の高い観世音菩薩に対する疑惑だと思います。
 
意味深い知識を重んずる無尽意菩薩にとっては名前を呼ぶだけで意味なく救われ
るということに不信感を抱いたようです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:なぜ観世音菩薩の名を呼ぶだけで簡単に救われる仕組みがあるのでし
     ょう?
 
その謎2:品名の普門品の意味は何でしょう?
 
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  4. 今 日 の 知 識 !  (道)
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この観世音菩薩普門品は西暦406年に鳩摩羅什が漢訳する際に偈の部分が提婆
逹多品とともに最終的に加えられたとのことですが、これで法華経が一通り完成
したと考えられます。
つまりこの普門品は第二十五で最後のほうですからこの普門品第二十五が完成を
期に最終的に今の法華経全体が完成したと考えてよいのではないでしょうか。
 
なお、偈(げ)とは多くの品の中に見られる詩のような部分のことであり、一度
説いたことをその後すぐに同じ内容を繰り返して、それも歌のように詠っている
ものです。
その意味はよくわかりませんが、ちょっとしたヒントを隠して気付かせようとし
ているようでもありますね。
 
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この品は普門品というだけあって何か普通の人の仏門という意味にもとれますが、
普とはあまねくとも読み、広く普及させる品という趣旨が実際だと思います。
この品のように簡単で気軽な信仰で済むところが大衆に受けがよく、断然普及度
は増すと思われますが、どうも法華経編さんの最終的に味付けのように加えた意
味程度に思えてなりません。
 
しかし、法華経が本当に大衆雑誌のようにいい加減な真実ではありえないのです。
ただ、お偉いぶって鼻だかなエリート主義な修行者に対していかに一般大衆の雑
種的感覚の中に生き方の真実があることを教える主旨のある法華経にとってこの
普門品こそがそれをイメージする代表の参考品であるとするにはうってつけなも
のだと思います。
これくらいが法華経の本筋なのかな~て感じでしょうか。
 
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日本の日蓮聖人は南無妙法蓮華経、親鸞聖人は南無阿弥陀仏のお題目さえ唱えて
いればそれだけで救われるという教えは恐らくこの観世音菩薩普門品と同じよう
な考えですよね。
しかし、これこそ人類或いは衆生全般にとって重大な意味を秘密に含んでいるの
かもしれません。
 
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  5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
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この普門品はあえて時代の宗教派閥競争を予期して作られたように感じられてな
りません。まったく現代の宗教ブームそのもののようでもありますね。
とにかく信者数を増やすことが第一条件のように焦ってとりあえず作られたよう
にも思えてならないのです。
 
法華経全巻がしっかり経典の形として完成したのが鳩摩羅什が漢訳したことによ
るとすれば、その150年位後に朝鮮の百済を通じて日本へ入ってきた法華経は
日本ですぐにも普及が整うような計画がなされていたのかもしれません。
中国の侵略目的すら十分あったとも考えられますが、その頃の日本は聖徳太子を
中心に一気に広まっていきました。
当初、聖徳太子は観世音菩薩の生まれ変わりともいわれていたともいいます。
 
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しかし、どうも観世音菩薩と聖徳太子のイメージが合わないように思えるのです
が、それも現実には中国の作戦や狙いは当然の如くあったものと考えられます。
実際には仏教普及に大そうな功績のあった聖徳太子がその後消息を絶っているの
も最大の謎なのです。
その謎がこの法華経の普門品などにひょっとすれば示されていて今まで解明され
ていないなんて奇妙なことももしかしたらありえますね。
 
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  6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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簡単なようで難しいこの普門品です。現代でも宗教法人などではただ南無妙法蓮
華経さえ唱えていれば良いのだとしているようなところが実に多いですね。
その多くの意味はただ単に勉強するのは面倒くさいからという理由なのでしょう。
 
しかし、誰もが大学に進学したり、もちろん就職だって物凄く勉強が必要とされ
ているこの時代にどうも腑に落ちないことなのです。それ自体が妙でなりません。
そして観世音菩薩も戦後間もない頃は東京上野の浅草寺の信仰などでとても有名
になったりしていたものですが、近頃では逆にサッパリ見向きもされなくなって
いるように思いますね。
 
こういった不思議の裏にはきっと何か本当の意味が隠されていると思いますよ。
たとえば、観世音菩薩はもう成仏して菩薩ではなくなり、雲隠れを果たしたので
は?
とか・・・・ですね。
 
 
今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。
 
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
 
  (ぶっけん)
 

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コメント: 2
  • #1

    ぶっけん (日曜日, 24 5月 2015 00:27)

    『普門品作戦の秘密?』

  • #2

    ぶっけん (土曜日, 28 1月 2017 07:56)

    解からないことは、自分一人だけでは勉強してはならない・・これは案外正しいことだと、やっと解かってきました。