第1-26日 Vol.26  薬王菩薩、右の肩を袒にし 【陀羅尼品第二十六】(一~四行)

法華経 陀羅尼品

 
■■第1-26日 Vol.26
 
 薬王菩薩、右の肩を袒にし
 
  【陀羅尼品第二十六】
  (一~四行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ ヤクオウボサツ スナワ ザ  タ  ヒトエ ミギ カタ アラワ ガッショウ ホトケ ムカ
 爾の時に藥王菩薩、即ち座より起つて偏に右の肩を袒にし、合掌し佛に向いた
 
       ホトケ モウ  モウ   セソン モ ゼンナンシ ゼンニョニン ヨ  ホケキョウ ジュ
 てまつりて、佛に白して言さく、世尊、若し善男子・善女人の能く法華經を受
 
 ジ       モノ モ  ドクジュ ツウリ  モ  キョウガン ショシャ   イクバク 
 持することあらん者、若しは讀誦・通利し、若しは經巻を書寫せんに、幾所の
 
 フク  エ
 福をか得ん。
    
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に薬王菩薩、ただちに座より起って上衣の一方を脱ぎ右の肩をあらわにし、
 
合掌して佛に向い奉りて、佛にこの言葉を発した、世尊、もしも良家の男子・女
 
人が修行として正しく法華経を受持してみようと心がけたことがある者、もしく
 
は読誦・通利し、もしくは経巻を書写する場合に、どれほどの福を得ることがで
 
きるのでしょう。
   
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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この品でも薬王菩薩は、前品の無尽意菩薩と同様に右の肩を袒にして憤りを示し
 
ているかのようですね。これは前品からの状況があってこういう展開になって繋
 
がってきているのでありましょうし、前品のことが次品でやっと状況や意味が解
 
るってくることもあるのです。恐らくこの品の薬王菩薩の憤りは、前品での観世
 
音菩薩の徳の意味がどうしても納得ができないということなのではないしょうか。
 
ですから、しっかり法華経の内容を勉強して知りたいと願う通常の修行者たちの
 
場合はどうなるのかという当然の疑問だと思いますね。
 
前品の内容はサッパリわからない、しかし次品にあえて答えのヒントが隠されて
 
いると思えてくると何かホッとしましたね。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:釈迦の教えはしっかりした勉強が重要なのか、それともほんの一偈一
     句が一番大事なのか、どちらなのでしょう?
 
その謎2:福徳の興味を抱かせる釈迦の教え方は欲張り過ぎることの損を反面的
     に教えたいのでしょうか?
 
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  4. 今 日 の 知 識 !  (道)
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前品の観世音菩薩普門品に於いて釈迦は観世音菩薩の名號を唱えるだけで大きな
功徳があるとしています。
そして、法師品第十にも登場しているこの品の薬王菩薩にはしっかりとした修学
を積んで法華経を得る必要があることを強く勧めています。
しかし、また同じく法師品第十の初めのほうでは妙法華経の一偈一句でも聞いて
一念も隨喜する者には誰にも阿耨多羅三藐三菩提を得れる授記を与えるとも釈迦
はいっています。
 
これらは一体どちらに釈迦は軍配を与えているのかサッパリわからないですね。
しかし、よ~く字を読んでみましょう、観世音の名號を唱えるだけで徳があると
しているのは即ち名號のことなのです。
つまり、観世音菩薩という修行者個人を少しでも知っていればよいということで
す。
 
これに対し釈迦が薬王菩薩へ勧めているのは法華経という経典のことです。
 
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もう~お解かりですね! 例えば、ある学生が有名な大学へ行ったとしますね。
そこには知名度の高い教授も居ますし、そこでは世界的にもより優れの貴重な教
科書を扱っているとします。
その場合、学生にとっては教授やその有名大学の名前のみを大切にするだけでも
大きな徳がありますね。
しかし、そこで扱う優れた教科書に対してはその名前を知っているだけでは何の
価値もありませんよね。教科書はしっかり勉強をしなければならないということ
になりますね。
 
法華経の一偈一句でも聞いて徳があるというのも、よく字を見れば「聞いて」で
あり、読んでではありません。
だから、他から教わる法華経の内容は一偈一句であっても大きな徳があるという
ことです。
 
また、法華経を学するということは意味を深く理解するということです。
ただ書かれている字をそのまま読んだだけでは、書かれているほとんどは言葉形
式なのであり、そのまま他から聞いた時の言葉の印象とほぼ同じことなのです。
薬王菩薩のように法師になろうとする者は、他から聞くことも大事ですが、自身
なりに法華経の真実である本筋に到達する必要があるのです。
 
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さて、福徳が有る無いに興味を抱かせる釈迦の教えへの疑問のことですが、これ
は少し難しいですよ。
 
ここで皆さんに一つ問題を出します。
 
それは、薬王菩薩のように法師に自らなる者と観世音菩薩への信者となる者とは、
福徳が大きいのはそのどちらだと思いますか?
 
この場合のヒントとしては、福徳と功徳は違うらしいということです。さあどう
でしょう?
 
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  5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
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さて、上の問題の答えは、観世音菩薩への信者になって観世音の名を唱えて称え
るほうが福徳が大きいのです。
それにしてもこれはどういうことでしょうか?
多くの人が疑問を抱きますね! それは世の中には、自身の徳になる人間のなり
方として、有能な人の力や人同士で助け合って徳になろうとする考えと、活字な
どの公平な情報で勉強して自分自身で知識を深めることで徳になろうとする考え
がありますよね。
 
そのどちらかは各々に得意なほうがあって、そのどちらかを重点的に積み重ねて
いくうちに違いに大きな開きが出てきますよね。
それは人間の性質そのものも両者はだいぶ変わっていくものです。
 
ところで、人同士がお互い助け合ったり奉仕しあったりすることは両者とも同じ
です。
しかし、誰彼となくお互いに平等に助け合うことが上手くなるのは信者型でしょ
うし、他者へ奉仕する立場である法師型はとても大きな奉仕を一方的に他者へ与
えなければなりません。
これはどうしても福徳の貯まる量としては信者型のほうが遥か歩が有ることがわ
かってくると思います。
 
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ですから、釈迦はあえてそれを教えているのです。福徳を得ることに長けている
なら他人の力を大切にするということです。逆に、他人の力を大切にしないなら
福徳は切れていくということです。また、法師として知識から得た功徳は他者へ
の奉仕のために与えなければ失われるのです。
 
それが佛のみ知る衆生の種類区分なのであり、釈迦が教えたいのはその者の種類
に応じた徳が区分されていることを知る大切さなのだと思います。
 
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  6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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今日は種類の大切さということを覚えましたね。そしてこれは意外な教えでした
ね。
衆生は皆公平で同じ性質と思っていた感覚が大きくくつがえりましたね。
これはよく覚えれるということですよね! しかし、案外また明日になるとうっ
かり忘れてしまうようなことですよね。
 
現代の私たちが古くからの仏様の教えや信心の習慣が薄れてきているというのは、
案外こういった意外にもその通りだと思うような事柄の意味まで知らなくとも、
何気なく口先だけ一人前ということかもしれませんよ。
 
今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。
 
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
 
  (ぶっけん)
 

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コメント: 1
  • #1

    ぶっけん (日曜日, 24 5月 2015 15:35)

    『何が徳かは知っているようで知らない』