第6-14日 Vol.154  行處及び親近處に入るべし 【安楽行品第十四】(三十二~四十一行)

安楽行品第十四 法華経

 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:この品で修行者は国王などの種族に親近してはいけないと釈迦が教え
     ている意味は、前々品で国王(釈迦)を引導して共に親近した仙人(
     提婆達多)のような真似はしてはいけないということになるのでしょ
     うか?
 
その謎2:陀羅尼品の羅刹女などは、この品でいう親近してはいけない紛いな修
     行者の種族に当てはまるのではないでしょうか?
 
 
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■■第6-14日 Vol.154
 
 行處及び親近處に入るべし
 
  【安楽行品第十四】
  (三十二~四十一行)
   
■■今日の一偈一句
 
 ソ  トキ セソン カサ  コ  ギ ノ   ホッ   ゲ ト   イ
 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく
 
  モ  ボサツ   ノチ  アクセ オイ  ムフイ  ココロ     コ キョウ ト    
  若し菩薩あつて 後の惡世に於て 無怖畏の心をもつて 此の經を説かんと
  
  ホッ  ギョウショオヨ シンゴンショ イ    ツネ コクオウ オヨ コクオウジ ダイカン カンチョウ 
  欲せば 行處及び親近處に入るべし 常に國王 及び國王子 大臣・官長 
  
  クケン  ケシャ オヨ センダラ ゲドウ ボンシ ハナ  マタゾウジョウマンヒト ショウジョウトンヂャク
  凶險の戲者 及び旃陀羅 外道・梵志を離れ 亦増上慢の人 小乗に貧著す
  
     ゾウガクシャ  シンゴン    ハカイ ビク ミョウジ ラカン  オヨ ビクニ   
  る 三藏の學者に 親近せざれ 破戒の比丘 名字の羅漢 及び比丘尼の 
  
  ケショウ コノ モノ フカ  ヨク ジャク  ゲン メツド モト  モロモロ ウバソク  ミナシン
  戲笑を好む者 深く五欲に著して 現の滅度を求むる 諸の優婆夷に 皆親
  
  ゴン       カク ゴト ヒトラ コウシン モッ キタ  ボサツ トコロ イタ  ブツ
  近することなかれ 是の若き人等 好心を以て来り 菩薩の所に到つて 佛
  
  ドウ キ      ボサツスナワ  ムショイ ココロ モッ  ケモウ イダ     タメ 
  道を聞かんとせば 菩薩則ち 無所畏の心を以て 稀望を懐かずして 爲に
 
  ホウ ト
  法を説け
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に世尊は、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく
 
 もし菩薩であって 如来滅後の悪世に於て 無怖畏(むふい:何事にも恐れお
 
 ののかない)の心をもって この経を説きたいと思えば 行處及び親近處に入
 
 ることである 常に国王 及び国王子 大臣・官長 凶險(くけん:心がよこ
 
 しまで荒々しいこと)の戲者 及び旃陀羅 外道・梵志(ぼんし:婆羅門のこ
 
 と)から離れ また増上慢の人 小乗に貧著する 三藏(さんぞう:さまざま
 
 な考え方が含まれた佛教聖典の総称)の学者に親近してはならない また破戒
 
 (はかい:聖職者がその属する宗教の戒律を破ること)の比丘 名字の羅漢(
 
 みょうじのらかん:世間で阿羅漢と呼ばれている比丘) 及び比丘尼の 戲笑
 
 (けしょう:面白半分にたわむれてふざけ笑う)を好む者 深く五欲に執著し
 
 て 現の滅度(げんのめつど:現在の涅槃)を求むる 諸々の優婆夷(うばい
 
 :佛教の五戒を実践する女子)に 皆親近してはならない これらのような人
 
 等が 好奇心を装って来りて 菩薩の居場所に立ち寄って 佛道を聞こうとす
 
 るならば 菩薩は率直に 無所畏(むしょい:四無所畏或いは無畏と同じ意味。
 
 説法することに恐れのない)の心を持って 稀望(けもう:飢餓の一種で貪欲
 
 や嫉妬から善人をねたむ、詐欺やケチ、欲しがり)を懐くことなく その上に
 
 法を説くことだ
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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今回は、前回までの行處の親近處の説明を終えたことについて、偈頌を作って釈
迦は再度、説き始めました。
 
まずは、如来の滅後には何を心がけようにも恐ろしい悪世の時代が到来すること
は明らかなのです。
ですから、その時代に於ける修行の難しさへの対処法として、菩薩の行處・親近
處を良く心得、その安住の境遇へ心身の絶対の静養を図れと鋭く忠告しているの
です。
 
そして、そういう恐ろしい悪世の時代の中で法華経を説く時こそ、決して説法者
はその恐れの心を他へ示してしまってはいけないとも忠告しているのです。
その為には、普段からの修行の中に心の安定を図る修養を特に義務的に取り入れ、
心を乱される当事者には普段から一切近づくなと、厳しい制裁を言い渡している
のです。
 
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佛法修行者を当事者関係に誘い込もうとする悪い得策や狙いを自然にも生じ易い
立場や職業の人たちに対しては、佛法修行の身の側から配慮して入念に気を付け
なければならないということです。
 
また、佛教を普段から信仰している者であっても、いい加減な心を持つ向上心の
ない佛教信者にも気を付けなければならないとしています。
 
以上に該当するような人々が、もし菩薩の滞在する所へ訪ねて来て、好奇心を持
たせるように佛道の話を聞きたいと願い出たなら、その時は避けて拒否すること
はせず、また稀望、即ち善人が苦労して何かを得たいかの気持ちを嫉んだり貧欲
にあやかって話してあげることをもったいなさぶったり、謝礼をせがむような気
持ちを懐かないように気を付け、その時ばかりに説法に恐れのない態度で正しく
率直に法を説いてあげることであるとし、それは説法することへ恐れのない心で
挑むことで、チャレンジする自身への強化を図る経験を積む試練の為でもあると
釈迦は説明しているのです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:この品で修行者は国王などの種族に親近してはいけないと釈迦が教え
     ている意味は、前々品で国王(釈迦)を引導して共に親近した仙人(
     提婆達多)のような真似はしてはいけないということになるのでしょ
     うか?
 
その謎2:陀羅尼品の羅刹女などは、この品でいう親近してはいけない紛いな修
     行者の種族に当てはまるのではないでしょうか?
 

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法華経 序品第一

 

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6-14

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コメント: 9
  • #1

    安田 和正 (水曜日, 12 11月 2014 21:29)

    親近してはいけないとは言ってはいても、その避けなければならない種族こそ、実は菩薩にとって良き救済の味方にもなっているということで辻褄が合いそうですね。

  • #2

    ぶっけん (木曜日, 13 10月 2016 19:19)

    如来、つまりあの世の仏様にも実は寿命があるのです。
    それは計り知れなく永遠に長い寿命を持つ真実なのですが、この世に降り立って来ている間、仏様は方便を使って通常の人間のようにこの世での姿を終えられるのです。
     
    それはこの世の衆生に心からの哀しみと自立する知恵を与えたいからだと如来様は教えています。

  • #3

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    今日の安楽行品は無理をせず先ずは自分のことを大切にしなさいという修行の原則に対する教えです
    つまり、自分自身の準備がなくて、いきなり人前で説法することがお互いの逆効果になってしまう疎かさを教えているのです
    自分自身こそを大切にして労わると共に厳しい掟の修行が安楽行法であり、お釈迦様はこの安楽行が修行順序として第一の法であると教えています