第9-4日 Vol.227  使者、疾く走り往いて捉う 【信解品第四】(四十三~四十九行)

法華経 信解品第四


★★ きょうの謎!
   
その謎1:父は愛おしい窮子を、なぜすぐにも優しく近くへ連れて来させようとし

     なかったのでしょう?
 
その謎2:父は、どうして使者へ窮子の顔に冷水を掛けさせて反省させるような仕

     打ちを命じる必要があったのでしょう?
 
 
■■第9-4日  Vol.227 
 
 使者、疾く走り往いて捉う
 
  【信解品第四】
  (四十三~四十九行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ  トキ シシャ ト  ハシ ユ  トラ  グウジキョウガク  アダ  ショウ オオイ ヨ
 爾の時に使者、疾く走り往いて捉う。窮子驚愕して、怨なりと稱して大に喚ば
 
   ワレアイオカ   ナン トラ       ウ   シシャコレ トラ    イヨイヨキュウ
 う、我相犯さず、何ぞ捉えらるることを爲る。使者之を執うること愈 急に、
 
 シ   ヒキ   カエ トキ グウジミズカネガ   ツミ    トラ     コヒツジョウ
 強いて牽將いて還る。時に窮子自ら念わく、罪なくして囚執えらる、此れ必定
 
   シ    ウタ サラ オウフ  モンゼツ  ジ タオ  チチハル  コレ ミ ツカイ カタ
 して死せん。轉た更に惶怖し、悶絶して地に躄る。父遥かに之を見て使に語つ
 
  イ    コ ヒト モチ   シイ ヒキ  ク    ナカ リョウスイ モッ オモテ ソソ
 て言わく、此の人を須いじ、強て將いて來ること勿れ。冷水を以て面に灑いで
 
 ショウゴ     エ     マタク   カタ
 醒悟することを得せしめよ。復與みし語ることなかれ。
 
    
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に長者の使者は、素早く走って追いついて取り押さえた。窮子は驚きふた
 
めいて、無礼であると称して大声で叫んだ、我は誰にも悪いことはしていない、
 
何故捕らえられなければならないのか、と。使者はこれを容赦せず捕らえること
 
をますます瞬時に、強引に引き連れて還ってきた。この時に窮子は自ら思った、
 
罪なくして捕らえられるとは、これは間違いなく必ず殺されるに違いない。こう
 
思えてきた窮子は更に恐れこわばり、悶えるように気絶して地面に腰を落とした。
 
父は遠くからこれを見て使者に申し付けて言わく、この人を何の用ともしない、
 
無理にここまで連れてくることはない。冷水を用いて顔面に掛け目を覚まさせる
 
ことをせよ。またあれこれ話しかけて問答してはならない。
  
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回まで、父親の住むお城のような屋敷の入り口門から咄嗟に逃げ去った窮子を
父が見つけると否や直ちに傍人を遣わして急いで追いかけさせ取り押さえて連れ
て来るように父は命じました。
 
今回、使者は急いで窮子に走って追いつきそのまま押さえつけようとしました。
窮子は驚き大声をあげて、「吾は何もしていない、なぜ捕らえられなければなら
ないのか」と喚きましたが、使者は尚のこと逃してなるかとますます激しい速さ
で捕らえ、強制的に引き連れて屋敷へ還りました。
 
この時に窮子は思いました『罪も無い者をこんなふうにして捕らえるとは、これ
はすでに殺されることは間違いない』と。
うたたかの内に更なる恐怖が込み上げて来て、窮子は立って居られなくなって地
面に腰から崩れ落ちました。
 
父は遠くの所からこの様子を見て、使者に申し付けました。
「この人を我は何の用もない、強制して引っ張って連れてくることは無い。ただ、
冷水を顔にぶっ掛けてはっきり目を覚ませてやれ。またあれこれ尋問して話しか
けることはするな」
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:父は愛おしい窮子を、なぜすぐにも優しく近くへ連れて来させようと
     しなかったのでしょう?
 
その謎2:父は、どうして使者へ窮子の顔に冷水を掛けさせて反省させるような
     仕打ちを命じる必要があったのでしょう?

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法華経 序品第一

 

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 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
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コメント: 2
  • #1

    安田 和正 (火曜日, 03 2月 2015 15:25)

    苦しみを認知できることが求めていること。

  • #2

    ぶっけんの世間の風だより (木曜日, 04 1月 2018 14:21)

    通常の仏教の修行イメージとしては、耐えがたいほどの苦しみを身動きせずにじっと我慢して偲ぶ厳しさばかりが印象にあります。
    しかし、そのイメージに関して法華経の中では、実は釈迦の弟子たちがそのような覚悟を自主的に誓ったことは書かれてあっても、釈迦自身が実際にそれを弟子たちに指導したとは書かれてはいないのです。
    釈迦は法華経の中では、他人の勝手な欲求に自らの心掛けを変えられないようにする方法はどうしたらよいかや、自ら成仏する目的を目指して、賞を勝ち取るかのように大きな意欲を持って目指すことを完全に思い切れと指導しているのです。

    【目的】自らに成仏すること
    【目標】合同崇拝の仏塔を建てること
    【方法】余計な物事に左右されない四法へ安住すること

    (ぶっけん成安田)